Kumano-kodou Nakahechi
サンティアゴ・デ・コンポステラまで10,755Km、この距離を歩いたわけではありませんが、2020年初夏の6月、紀伊田辺から熊野本宮までの中辺路を歩きました。
熊野古道は、平安の昔から熊野三山と言われる熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社へと続く都からの参詣路です。中辺路、小辺路、伊勢路、大辺路、紀伊路、大峯奥駈道など主に6つの道があります。
行程1 2020年6月1日 紀伊田辺駅から下鮎川 約13Km
Day1 Kiitanabe station – Shimoayukawa 13Km
特急くろしおが新大阪から紀伊田辺駅に着いたのはお昼前、市内を観光するわけでもなく駅の隣の観光案内所で巡礼手帳をもらってスタートです。この特別な世界状況のもと、外国人も日本人も熊野古道を歩く人はほぼ皆無、そして紀伊田辺の駅から歩く人は普段でも少数なので古道は荒れていないかと心配でしたが、案内のお姉さんは下鮎川まではすべて舗装道路ですと言いました、(そうバスならね)。駅からの古道は市街を抜けると三栖王子辺りから少し藪の中の山道に入ります、その一部は長く伸びた草で道をはばまれ、大きなマムシさんとも対面しました。
紀伊田辺市街から滝尻王子へは現在2つのルートがあります。潮見峠越えとこの私が歩いたオリジナル・ルートです。富田川に掛かる加茂橋のたもとにある民宿加茂で1泊。夕方散歩に出かけたら野生の猿に出会いました、民宿の夕食も美味しく、紀州の梅干しをお土産にいただき、ご親切にしていただきました。
行程2 2020年6月2日 下鮎川から近露王子 約23Km
Day 2 Simoayukawa – Chikatsuyuooji 23Km
下鮎川から滝尻王子を経て近露王子へ。途中川沿いの木陰の道を歩き、国道とほぼ並行し進む道を滝尻王子へと向かいます。梅雨の前で良いお天気が続きましたが気温は25度以上、歩き続けると汗だくです。紀伊田辺の観光案内所でもらえるルートマップ、ネットでダウンロードできるものと同じで、大変詳しく説明がしてありますが、マップに示された所用時間は各所でかなりの熟練者向きだと地元の人が言っていました。
滝尻王子は熊野古道館と向かいに店がありますが。人影もなくひっそりしていました。コーヒーを飲んで一休み、ここからは険しい登り坂です。
高原から近露王子までは約400mを上り、そして約400m下ります、日頃の運動不足が身にこたえる山道、木陰が多かったのが何よりの救いでした。
今日の行程の後半、滝尻から近露まではそれなりにハードな道でした。今夜の宿、民宿中野でゆっくり休んで明日に備えます。この民宿は普通は素泊まりのみですが、このコロナの状況下、外国人はいないので夜はお弁当の宅配、朝は喫茶店のモーニング付きでした。夜は近くの小川で蛍が見られました。泊めていただきありがとうございました。
行程3 2020年6月3日 近露王子から熊野本宮 約25km
Day 3 Chikatsuyuooji – Kumano-honguu 25Km
暑さを避けるために、朝5時にスタートします。ここからしばらくは舗装道路を歩き、そして山道に入ります。途中迂回路は2か所、数年前からの定番の迂回路と発心門王子に向かう途中の音無川沿いの道を避け、左に周回する舗装道路が迂回路になっています。案内表示はしっかりあります。中辺路の各所に設置してあるスタンプは、サンティアゴ 巡礼を意識したのでしょうが、毳毳しい朱肉の色と観光スタンプでしかない凡庸なデザインは、日本の世界遺産の道を歩いた証明としては、いとかなしけり。
思ったより険しい山道もなく、お昼前には発心門王子に着きました。この先は少し舗装道路を歩き熊野本宮へは裏手から整備された林道を抜けて入ります。
当初の予定は、ここからさらに小雲取越、大雲取越を経て那智大社、そして新宮の速玉大社へ歩いて至るはずでしたが、今回はここでストップ。近隣の温泉には行かずに本宮町で一泊し明朝バスで新宮に向かいます。
2020年6月4日 熊野本宮町から新宮市 バス
Day 4 Kumano-Honguu – Shinguu-shi by Bus
朝8時30分発の新宮行きバスに乗ります。バス停の広場にあるサンティアゴ 巡礼の帆立貝の道標は、日本とスペインの交流400周年の2014年に、熊野古道が世界遺産として登録された10周年を記念してガリシア州から和歌山県に寄贈されたものです。この2つの道が姉妹道提携をしたのは1998年と記されています。そういえば2014年にサンティアゴ・デ・コンポステラのセミナリオ・メノールの階段には、もの悲く郷愁を誘う熊野古道のポスターが幾枚か飾ってあったのを思い出しました。
主要な熊野古道の略図
Hasta Luego!